シリコンバレー雑感

シリコンバレーとの仕事が増えて、隔月で行き来しなければならなくなったのは今から30年ほど前。 その時からIT業界の聖地としての地位は変わらず、今でも世界的IT企業を生み出している場所なのは間違いない。 

しかし大きく変わってしまったこともある。 

昔からアメリカという国は貧富の差が激しく、しかも両者が隣接してる。

 成功者が多く住むパロアルトと、隣接したイースト・パロアルト。
キラキラした高級店が立ち並ぶユニオン・スクエア周辺とサウス・マーケット。

パロアルト周辺の図式がどう変化したのか詳しく知らないけれど、ダウンタウンは確実にイメージを変えた。


治安が悪い倉庫街だったサウス・マーケットは、次々改装されて治安を回復し生まれ変わった。

一方、高級店が立ち並ぶユニオンスクエア周辺は明らかに凋落し、街全体の華やかさは失われてしまったようにも思える。

路上は少し汚くなったし、ホームレスの数も増えた。

街の華やぎに彩りを添えていたBarns & NobleやFAO Schwaltzが無くなり、高級ブランドは生き残りのためにカジュアル路線を開拓している。

ベイエリア全体を俯瞰してみると、かつては新しいことに挑戦する企業が、フラットにしのぎを削っていた。

しかし今は、圧倒的なGoogleやApple、Facebook(そしてベイエリアじゃないけどAmazon)に力が偏在していて、スタートアップで頭角を表したとしても、しかも上場を果たしたとしても、結局は圧倒的なパワーを持つ企業に買収され、組み込まれてしまう流れが普通になりつつある。

強いアメリカ、キラキラと華やいでいたアメリカは、過去のものなのかもしれない。

でもそれは、アメリカが生み出したインターネットの普及や、アメリカが生み出したソーシャルネットやスマートフォンの普及により、知識や情報の伝播速度が早まり、結果的に世界がフラットになっていったためだとも言える。 

そして成功しているGoogleやApple、Facebookは、世界中の都市に浸透し、世界中の文化に受け入れられていて、もはやアメリカではない。

社会を作り上げているのは人間なんだから、人の数だけ変化していく。

だからこそ、単純な図式などない。
そして、答えはどこかに偏在しているのではなく、この世界全体にある。

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