思わず露呈したAppleが開発している自動車への期待

FBIが、米国Apple社の自動運転に関する機密情報を盗んだ容疑で、元Apple社員の張小浪(容疑者)を逮捕した。

以前から、Appleが自動運転車の開発をしているのではないかという噂があったけど、これで確定。やっぱり開発してたんだね。

Appleが自動車を作っているというだけでワクワクする。しかも自動運転。



だって自動運転ということは、車に乗っている人みんなが、同じ話題で盛り上がったり、何か一つのことをすることができるわけだ。

Appleは、世界最大の音楽配信事業者だし、アプリ配信ベンダーだし。なによりもデザインの大切さを良く知っている。だから、車という空間が、これまでとは全く異なるエンターテイメント空間に変わるのを加速させるかもしれない。

これはGoogleにも言える。彼らも、音楽、映像、地図、街の情報、あらゆることを提供することが可能だ。

2007年1月、スティーブ・ジョブズがサンフランシスコで開催したイベントでiPhoneを発売した時、日本最大の通信キャリアは、「あんなのは電話じゃない」とコメントした。

そう、電話じゃなかった。今、振り返ってみても、そう言える。そして、社会が求めていたのは「電話」ではなく、「人と人が、いつでもつながっていられるコミュニケーションツール」だったわけだ。

電話だと、同時に一人としか話をできないし。その間、誰かを待たせるわけだ。キャッチホンで通話が入っていることを通知されるのって、嫌だったし。かける方も、大した用事じゃないのに、通話中待たされるのも嫌だし、留守番電話とかいつ聞いたかわからないし。そもそも、電話料金高かったし。

誰も「電話」じゃなきゃ駄目だ。なんて思ってなかったんだよ。

だから電話にこだわった人たちは衰退し、新しいコミュニケーションツールを軸にして様々な産業が始まったのだと言える。スマートフォンと呼ぶけれど、電話の利用が激減しているのは確か。だから、電話ではなかった。そして、電話という地点を踏み台にして、社会が潜在的に求めていた新しい世界を開いたわけだ。

自動車はどうなんだろう。

自動車の販売台数は確実に減少している。同時にカーシェアも成功しているとは言いがたい。物流もバスもタクシーも、ドライバー不足で業績をなかなか伸ばせないでいる。

だって、そもそも運転免許を取得しようとすると、何度も嫌な思いをするわけだし。運転したとして、複雑な都市部の交通規制を、ちょっと勘違いして運転しただけで、物陰に潜んでいた警察官に犯人扱いされるわけだ。物陰で見ていたんだったら、教えてよ。

車を所有するのもそうだ。購入はしかたないけれど、保険や、税金や、車検や。

できるだけ、免許を取らないように、運転しないように、車を所有しないように。みんなが、そう思ってしまうのは仕方ないんじゃないか。

だから、どんなにきれい事を並べても、こうした事実は、そのまま社会が望んだ結果の反動だし、それ自体、社会が抱えている課題だとも言える。

だからこそ、こんな袋小路にはまるような閉塞感はぶち破って欲しい。
でも、それは、免許が取得しやすくなったとか、交通規制が簡素になって運転しやすくなったとか。そういう方向には、絶対改善されないと思う。だって、それはそれで、色々と改善してきた結果。緩和すればいいというわけではない。だから、全く新しい形のイノベーションが待たれている。

そしてAppleが車を発表するとしたら、そんな気持ちからの期待感。それは電話で起きたような、新しい時代の変革がはじまるのではないか。そんな期待感が、ワクワクした気持ちにつながるのだと思う。

ハードウェア的な素晴らしさとか、ワクワクする感動というのが薄らいでいるのは、ハードウェアという物理的な構造には、革新を起こせる余地が少ないからなんだと思う。

しかし、もっとソフトウェア的な、コンテンツや、サービスと言った分野を含むソフトウェア的な分野は、物理的な制約が少ない分、まだまだ未開拓な分野がいくらでもある。

AIや量子コンピュータなど、これからさらに加速する技術的革新も、新たな領域を開拓することを助けるだろう。

そして従来の自動車業界は、「そんなものは自動車じゃない」と言うはずだ。きっとそれは正しい。新しく生み出されるものは、きっと自動車じゃない。みんなが楽しい時間を共有できる、もしくは、みんながつながりを楽しめる、新しい「移動手段」だ。楽しさと、つながりと、移動。



昔は、こういうのを自動車って言ったんだよ。
でも、運転するのは人間で、その人は一緒に乗っている人と一緒にギター弾いたり、ゲームしたりできなかったんだよ。
へー、それなのに自動車って言ったんだ。全然、自動じゃないじゃん。



未来は、驚くほどのワクワクで満ちているんだろうな。
そう、思いたいよね。

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