感性のためのAI

言葉は難しい。

意味を伝えるのも難しいが、感性を伝えるのはもっと難しい。

意味は、単語を軸に伝えるものかもしれない。だけど感性は、単語だけでなく、もっとすみずみまで。ひとつひとつの文字や、句読点の打ち方、段落の切り方。そういうこと全てにみずみずしく宿っていくのだ。


 ぼくたちはAIで文章を扱うために、使われる単語の出現状況で文章の特徴をつかみ、質問に対して的確な回答を返す仕組みを提供してきた。これはMAGELLAN BLOCKSの文書検索エンジンとして、今でもすぐに利用できるようになっている。 

こうした方式は、例えば機器の操作や契約内容に対する問い合わせなど的確に回答するような場面で、抜群の効果を発揮する。実際、損保ジャパン社での社内の問い合わせ回答などに利用されている。 

しかしもっと、言葉が持っている感性を大切にしなければならないとしたら。もっと言葉のひと文字ひと文字を大切にし、単語の選び方ではなく、文体やニュアンスを読み取れるような仕組みであったら。おそらく、書き手の心の動きや、悩み、喜び、感動などをうまくとらえたり、だれが書いたのかを見抜いたり。そんな仕組みができるのではないか。 

そういう思いから、あたらしい機械学習モデルをMAGELLAN BLOCKSに追加した。

まだ一般には公開してないけれど、モデルジェネレータから「テキスト分類タイプ」を選択すれば使えるようになる。


準備するのは、学習させる文章。

例えば、ドリカムとミスチルのスタイルの違いを理解するAIを作ってみる。

まず歌詞を集め、幾つかのファイルに入れる。
ドリカムの歌詞を入れたファイルは、dreams_come_trueというフォルダに入れ、ミスチルの歌詞を入れたファイルは、mr_childrenというフォルダに入れてみた。フォルダ名が識別子になるのだ。

学習を開始させると、振り分けたフォルダ毎に特徴的なものは何かを計算しはじめる。 

学習が終わったら、ブロックとして画面に置いて利用する。


まだコンピュータには見せていないミスチルの「くるみ」のサビ部分。 

希望の数だけ失望は増える
それでも明日に胸は震える
「どんな事が起こるんだろう?」
想像してみるんだよ 

 結果は、ミスチル。可能性92.5%。 

この仕組みは、単語の出現頻度を全く考慮にいれていない。
句読点や余白も含む文章の組み立てを、深層学習で解析しているだけだ。 つまり文体や表現のニュアンスを把握する仕組みだ。

AIの進化の先は、合理性ばかりを追求した未来ではないはず。
人間的な感性を大切にして、人が人らしく生きる豊かな未来。そんな未来を、みんなは望んでいるのだと信じている。

だからこそ、こうした、たった一つの小さな道具でも、誰もが使えるようにすることで、そんな未来を少しでも引き寄せられたら。

もう少ししたらリリースするからね。待っとって。

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