AIは ロボットじゃないんだぜ

AIの話が、なぜかロボットの話になってしまう人がいる。
よくわかっていないのを、想像で補っているからだと思うんだけど。


そういう人と、「冷蔵庫に入っている食材と、曜日だとか天候だとかから、家族が食べたいと思われるレシピを選ぶことができるAIって、作れるよね」という話をすると、「もう食事を作らないでいいですね。」という飛躍をしてしまう。

つまり家族が望むレシピを思いついて、調理法がわかれば、料理できてしまうじゃないか。と思ってる。

そういう人の頭には、AIが表計算ソフトやデータベースのようなソフトウェアであることの認識が、なぜか無いのだ。

AIには体があって、頭がついていて、腕と足がある。
背中からジェット噴射はしないけど、人間のような形で、人間のように動く。
それがAIなのだと。そう思っている傾向がある。

でも、ちょっとまって。AIというのは、ソフトウェアの話だ。もちろんソフトウェアを動かすためには演算装置という機械が必要だし、記憶装置が必要だ。そして普通そういうものは、味気ない四角い箱に入って、どこかのデータセンターに設置されている。ネットワークで接続されていれば、場所なんてどこでもいい。つまり、冷蔵庫の中のものからレシピを類推するために、コンピュータの本体は冷蔵庫のそばになくてもいいのだ。ネットワークのどこか、つまりクラウド上においておけばいい。

もちろん、いちいち通信するのが嫌だったら、冷蔵庫の中にAIを搭載してもいい。
だって冷蔵庫には電気があるし、そこそこ大きいので、ある程度の処理機能を詰め込むスペース的余裕があるからね。


今朝のニュースで知ったんだけど、総務省が「AI利活用の10原則」という謎の規範を発表した。

記事の中で例としてあげられている「リスク」というのが、例えばこういうことだと書かれていた。

1.ハッキングされてロボットが制御不能になって、人間と衝突する
2.学習不足で料理がうまくできない

うーん。
どっちもロボットの話だよね。

1は文字通り。2だって、ソフトウェアは鍋も持てないし、火の調整もできないから、これもロボットの話だと言える。

総務省という、文字通り日本を代表する国家機関が、こんな謎のまとめをしているということは、総務省を支援している「専門家」は、きっとSF映画からAIを想像している人たちなんだと思う。

そしてこの「AI利活用の10原則」というやつ。AIというところを、割と何でも置き換えてしまえるところがすごい。

1. 適正利用:用途の理解
2.適正学習:学習データの質の担保
3.連携:リスク増大の可能性認識
4.安全:生命・身体・財産に危害を及ぼさない
5.セキュリティ:合理的な対策
6.プライバシー:データ流出防止
7.尊厳:過度な依存リスクの認識
8.公平性:個人を不当に差別しない
9.透明性:入出力の記録・保存
10.アカウンタビリティ:利用方針の公表

「スマホ利活用の10原則」
「電子レンジ利活用の10原則」
「ウォシュレット利活用の10原則」

やばい、どんどん浮かんでくる。

つまりこれは、ソフトウェア開発を含めて物作りをする人だったら、誰でも注意しろよ。ってことなんじゃないかと。つまりわざわざ、言うことじゃない。

そして、この10原則。

アイザック・アシモフのロボット3原則にそっくり。

「人間への安全性」
「命令への服従」
「自己防衛」

だから。ロボットじゃないんだってば。

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