2015年12月25日金曜日

ベンチャーと組みたがる大企業 ぼくらが取り組んでいること


最近、大企業がベンチャーとのコラボレーションをしたがっているように見える。いろんなマッチングイベントもあるし、特定の企業がアイディアを募集しているものもある。

これは最近の傾向なのかというと、シリアルアントレプレナー的にベンチャーの起業をしている自分からすると、昔っからこういう傾向はあるにはあった。

ベンチャー企業とのコラボレーションというより、独自のノウハウや技術を持つ企業とのコラボレーション。大企業じゃなくても、そういうものを持っている会社と組み、自分たちだけでは乗り越えられないことを乗り越えていく。

しかしながら、こうした発想をする会社は、これまでのところ進取の気性に富むというか、新しいことにチャレンジする性質の会社、もしくは思い切った発想をしていかないと駄目だと思っている管理職がいる会社だった。

それが、最近はホントに様変わりしてきたように思う。

結構ガチガチの会社だったはずなのに、ベンチャーとのコラボレーションを真剣に考え始めている会社が、すごく多くなってきた。

なんでなのか?

ここにぼくらが得意としているIoTという言葉を当てはめてみると、ちょっとだけわかりやすい。

IoTというのは、デバイスに通信機能がつく話でも、インターネットと装置が連動する話でもなく、デバイスや装置を媒介して、利用者や社会企業が密接につながっていく世界、そうしたことから、これまで考えられなかったようなビジネス的広がりを作り上げていく。そんなこと。

つまり、自社の装置や製品を通じて、今までと全く次元の違う世界を作り上げていきたい。だから、圧倒的に通信量やデータ量も増えるはずだし、データのカタチも表形式なんかじゃ表現できないほど複雑。そしてつながってくるデバイスというか、アプリというか、つまり社会との接点ということなんだけど、そういうものも圧倒的に数が多い。

で、大企業であればあるほど、こういう時に相談している相手はSI会社。大手であれ、中堅であれ、お決まりのようにSI会社に相談している。

ここでお約束の「だからSI会社はダメなんだ」とは言いたくない。

SIビジネスは、これまで散々苦労して進化をしてきた。だけど、その進化のほとんどは、リスク回避のための進化。

めちゃくちゃな要望を受けてしまって、すごい赤字を抱え込んだ経験なんて、SI会社ならどこも嫌というほどある。だから、リスク回避のためのプロジェクト管理、リスク回避のための契約、リスク回避のための見積り。

なんでもかんでも、リスクを背負わないためにどうしたらよいか。

でもその一方で、社会は大きく変化した。携帯電話を使って音声でつながっていた人々が、いまや電話なんて使わないで、スマホを使ってSNSでつながっている。

ホテルや飛行機の予約確認メールを、人工知能が自動的に判断してくれて、カレンダーに予定を入れてくれる。

写真をSNSにあげたら、そこに写っている家族や友達の顔を判別してくれて、自動的に名前でタグ付けしてくれる。

モバイルゲームでは、友達とオンラインでつながりながら、一緒にモンスターをやっつけたり。

ちょっと前だったら、こういうことは、特別な世界の話と言えたかもしれない。でも、もうそんなことは言えないほど、社会に浸透してしまった。

コンシューマ向け事業を次々切り離して、企業向け事業に集中するリストラをやっている東芝とは全く逆で、多くの企業は企業とのつながりを求めているのではなく、個人というか社会とのつながりのあるサービスへ、大きく踏み込みたがっている。(まぁ、つまり東芝のリストラは自滅だと思っているんだけどね)

だからこそSI会社がリスク回避のためにやるべきことは、技術革新であるべきだった。契約方法を変えたり、成果物の扱いを工夫するとかでもなく。DBもそうだし、プログラミングのメカニズムも抜本的に変え、アーキテクチャとか設計を抜本的に変えていく。そういうことができれば、プログラミングは単純化していき、システム構築の難易度は抜本的に下がり、性能も改善し、コストも削減され、結果的にリスクは大幅に回避される。

でも、実際のところこういうマインドで取り組んでいるSI会社なんて皆無。

だから、事業会社が相談しても、「そんなの無理」なわけで、でもSI会社からすると「無理」とは言いたくないから、「ありえない金額」を提示したり、「ありえない納期」を示してやんわりと相手のやりたい気持ちをそぐ。それでもやりたいなら、「ありえないレスポンス」で仕上げて、ドン引きさせて話を終わりにさせる。(いまどきの感覚で言ったら、応答速度3秒で、「ありえないレスポンス」だからね。「確実に1秒切ってこいや!」みたいな。)

新しい世界に踏み込まなきゃいけないというのは社会全体の雰囲気ではあるんだけど、実際踏み出すことができる会社は、それなりに余裕があるというか、余裕がないというか。つまり会社規模が大きく、市場占有率がそれなりにある会社。業界が抱えているジレンマが会社のジレンマで、業界の可能性が会社の可能性みたいなところ。

だからこそ、感じている問題意識は高く、やらなければならないという意欲は、現場に近いところでも、経営層でも、フツフツと燃え上がる寸前の炎のように、強く、とても強く存在する。

だからこそ。あえて。ぼくらがやっていること。数十億件のデータを数秒で処理することだって、データ量がいくら多くなっても瞬時に応答を返すシステムだって、複雑なデータ構造を驚くほど単純に実現することだって、やり方さえ間違えなければできることなんだし、そのために驚くようなお金なんていらない。

ぼくらはテクノロジーの会社なので、テクノロジーがより良い社会を作り上げると信じたい。だから、もっと良い社会のために情熱の炎を燃やそうとしている人たちを、テクノロジーで支えて、一緒に未来を作り上げていきたい。

だからこそ、そういう人たちのための製品とかサービスを提供している。

だって、とても多くの人がそれを望んでいて。だからこそ、きっと未来は、少しずつ楽しくなるはずなんだよ。「やっぱりダメなんだ」というため息を、少しずつ消し去っていかないと。だから忙しんだけど、だから楽しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿