2015年10月18日日曜日

海の中道で考えたこと

予報通り北東の風が吹き始め、島の灯台は風速8メートル。
街と海が近い福岡。車で30分以内の近場に、カイトできる場所が複数ある。


海が深く、波が荒い海の中道
比較的遠浅で、メローな波が入ってくる奈多
湾内かつ堤防で囲まれて、ほとんど平水面、基礎練向き。街中からすぐの愛宕浜

カイトと言っても波乗りしたいので、今日は風と波が期待できる海の中道を目指した。

到着した時のコンディションは、平均8.8メートル。ブローで9.6メートル。


海にはサーファーが3人。波も適度に入って、今日はいろいろできるかな。といっても、カイトボーダーが誰もいない海に一番乗りは、今だにチョット緊張するのよね。


カイトって、風が強い日は小さいカイト、弱い日は大きなカイトを準備する。自分の体重や、やりたいことによって選ぶカイトが変わる。で、今日は9平米でスタート。

ボードは、この夏から乗り始めているやつなんだけど、ストラップがついていないサーフボード。サーフボードをマジメに乗り始めたのも、この夏。きっかけはこいつ。ストラップ無しのノンストラップ・サーフ。まぁ、いわゆる普通のサーフボードってことなんだけど。

この夏から使っているボード。場所は、愛宕浜。奥に見えるのはヤフードーム

一般的に使われているボードは、ストラップがついていて左右どちらにでも行ける。どっちも先端になりうるから、ツインチップ。「tip=先端」ね。


ストラップがあるおかげで、ジャンプや回転といったトリックができる。しかも海面からの反発も小さいので、小さい波なら波を切ってガンガン行ける。切れないくらい大きな波なら、ジャンプして乗り切るとかできるし。

一方、ノンストラップ・サーフは、まぁサーフボードなわけだから、波との関わりを楽しむボード。でも、道具は色々あって、波からの反発が少なくツインチップのように波の影響を受けにくいものもあるわけなんだけど、少なくとも今自分が目指している乗り方は、風の力を借りながらも、波との関係を楽しむ乗り方。

なのでボードも波乗りしやすいやつ。つまり波の反発を返してくれて、波に乗ったらスピードが出るタイプ。

これに乗り出して学んだことは色々あって。まず、一つ一つの波に注意を払うようになった。大きな波も、小さめな波も、どういうつもりでその波と関わるのかを意識して乗るようになった。ような気がする。

津屋崎

そうしなきゃふっ飛ばされるし、そうしなきゃ波に乗れないし。というのもあるけど、そういう経験をしていくうちに、大げさかもしれないけれど「一つ一つの風や、一つ一つの波に敬意を払って丁寧に乗る。」ということが、すごく大切だということを知った。知ったというか、サーフボードに教えてもらった。

適当なヤツはふっ飛ばされるのだ
浜辺でもふっ飛ばされるのだ

風に一つ一つなんてあるのか。と思われるかもしれないけど、場所や高さによって吹いている風はまちまち。で、普通に走っている限り風は唯一の動力源だけど、波に絡む時は動力源が波のパワーに切り替わる。なので、カイトを今まで以上に上手くコントロールしなくちゃいけない。

ジャイブするのか、ターンなのか。乗ろうと決めた波とどう絡むのか。ターンするなら、どのくらいの角度で切り返すか。ターンして一気に乗るなら、その後のラインをどう取るか。それとも鋭角に切り返すのか。切り返して方向転換するのか、切り返しても戻らないで先に進むのかとか。

なかなかいい波に絡めない

つまり、カイトのパワーがいらない場合や、すぐに欲しい場合、必要以上いらないけれど、一定以上のトルクでパワーが欲しい場合。パワーの向きも進行方向だったり逆向きだったり。上向きだったり、横向きだったり、中間だったり。

そういうことを上手くやるためにも、大切なのはカイト位置。カイトをどこに置くのかってこと。

特に、いったん波に乗ると一気に加速する。しかもカイトのパワーから波のパワーに切り替わり、やることがカチっと切り替わる。なので加速する方向も今までと全く変わる。で、その時のカイト位置。これが結構、今の課題だったりする。(そりゃ、道具だよ。という人もいるけど。)



まぁ、色々と意識しなくちゃいけないことが多い。でも難しいからやりがいがあるとも言えるし、こんな風に自然に対して丁寧に向き合うという時間は、なんだかとても大切なことだと、最近つくづく思う。

で、海の中道。

カイトで浜辺近くを走っていたら、なんか大きなものが流れていた。近づいたら溺死したイノシシ。「海を渡るイノシシがいる」というほど泳ぎが得意なヤツ。何か理由があって海に出て、何か理由があって死んだんだろう。必死に生きている生き物がいるそばで、自然のちょっとした力をお借りして遊ばしてもらっているわけだから、やっぱり自然に対する敬意は忘れずにしなければいけない。

なんか、つくづく思ったわけよ。

やすらかに眠れよ

2015年10月12日月曜日

Naish Pivotに乗ってみた

くカイトサーフィンをやっていると、サーフィンの動きにあったカイトが欲しくなってくるよね。スタイルによって違うのだと思うけど、ぼくの場合はこんな感じ。

1. 波へのアプローチの速さ
乗りたい波を見つけたとしても、なかなかカイトがいうことを聞いてくれないことがある。ボトムターンしてもう一度絡みたいのに、カイトがついてきてくれないとか。頑張ってる間に結構走ってしまうので、これは結構もどかしい。

例えばこの写真。立ち上がってきた波に絡もうとしても、カイトは逆向きに引っ張ってるのでアップ取るのに苦労してる。「あー、もー、ホントに!」と思う瞬間。
ライン取り間違えたんだろ、とも言えるけど。


2.波に乗っても落ちない
波乗りをしている時、カイトには空で待ってもらいながら乗る。カイトのパワーはいらないからね。
カイトはオンショアの風で乗るわけだから、波に乗ると一気に風下に下ることになる。当然、カイトのラインは一気にテンションを失うわけで、そうなると下手したらカイトは失速。落ちてしまう。
こうしたことを避けるには、カイトを高い位置に置く。低いと失速しやすいんだけど、どのあたりから危険かは、カイトの性能による。だから、この場所においておけば大丈夫という位置に幅があればあるほど、扱いやすい。

この写真は、波乗りの方向がモロにカイト方向だったので、思ったよりもカイトが耐えてくれずカイトが落ちている最中。
「あー、もー、ホントに!」
カイト位置をもっと高めにしておけばよかっただろ。とも言える。


3.回転半径の小さいジャイブ
単に方向転換するだけのジャイブだったら、大きくスプラッシュ上げながら曲がるのもいいけど、波にからみたいときは、小さく素早く曲がりたい。
これはカイトの回転半径が強く影響する。回転半径が大きいと、カイトは一度上空を通過して方向を変える。そうじゃなくて、カイトループなみにクイッと向きを変えて欲しいんだよね。もちろん、ボードの踏み込みと体の使い方は重要だけどさ。

4.安定したパワー
クイッと曲がった後もそうなんだけど、パワーが安定的に入って欲しい。カイトを振りながらパワーつかむのではなく、曲がりながらも曲がった後も、同じように安定的にパワーがもらえると助かる。これは、波乗りモードからカイトモードに切り替える時にも、カチッとパワーくれるとうれしいよね。

つまり、自分が求めているカイト性能は、アップ性能が良くて、回転半径が小さく、テンションが緩んでも失速しにくく、安定したパワーがあるものということになる。

もちろんテクニックでカバーできることは沢山あるわけで、それはそれで練習して体得しなければならないので、コツコツやってるわけなんだけど。

で、お願いしておいたら、Break Outの森内さんがNaish Pivotを試乗させてくれました。


乗ってみて最初に感じたのは、アップ性能の良さ。OzoneのEdgeと同じくらいぐんぐん上っていく。これは波へのアプローチが簡単になるだけでなく、沖に出るのが簡単になるので、いろいろと嬉しい。

意外だったのは、Wave用カイトとして一般的に言われているような、素早くクイクイ動くという感じではない。素早く動くわけではないけど、回転半径はかなり小さく旋回させることができる。「できる」と書いたのは、操作次第だから。小さく旋回させれば、ジャイブも小さく曲がれるし、大きく旋回させれば結構大きなジャンプをすることもできる。

これは旋回性能というよりもパワーなんだけど、上手く使うとびっくりするほどリフト感がある。ツインに履き替えてジャンプしてみたんだけど、結構ガッツリリフトしてくれて、高さも充分出る。それなのにオーバーには強く、ガンガンくる感じではない。だからこれも操作次第という感じ。

素早く動いてしまうわけではないというのは、だから嫌。という人もいるのかもしれないけれど、波乗りしているとカイトの位置は結構重要。だからカイトを見なくても位置を感じられて、片手で位置修正しやすい方がいいのではないかとも思う。素早く動かす時というのは、方向を切り替える時で、それは素早さよりも回転半径のちいささの方が重要なんじゃないかとも思えます。

カイトの失速に関してだけど、何度も波に絡んでみたけど、やっぱりWave用というだけあってすごく頑張ってくれる。

この写真、Pivotに試乗した時のもの。波で一気に加速したので、バックラインはテンション緩み始めているけど、結局カイトは頑張ってくれて、そのまま乗り続けることができました。


まだまだテクニックを磨かなければ駄目なのはわかっているけど、どうしたらいいのかわからないことは色々ある。これまでのWave用カイトとはちょっと違った個性のおかげで、カイト位置やバーのハンドリング、課題と思われることを今まで以上に気づかせてくれました。

当たり前だけど、これさえ使えば楽々乗れますという道具なんてないわけで。だけど、なかなか苦労していて次に進めなかった扉を開けてもらえると、その先に自分が本当に取り組まなければならない課題みたいなものが見えてくるっていうことは、なかなかいい道具だなと思いました。

ツインで乗っている人がいるのも、よくわかる。ジャンプも充分高さ出るし、回転半径小さいからカイトループもしやすいだろうし。