2014年11月25日火曜日

ビッグデータな時代だからやるべきこと

大量のデータを取り扱う時、何が大変かっていうと大量だからだよね。データが小さければ、誰もそれほど悩まない。とか言いながら、「大量」ってどのくらい?ってことになると、大抵の場合メガバイトかギガバイトレベルなわけで、そんなんビッグデータでもなんでもないじゃん。ってことになるわけなんだけどさ。

しょせん企業が持っているデータはその程度なんだけど、でもやっぱりそれでも大変なところがあって。つまり集計する軸とか分析する軸とかがどうしても多くなってくるので、そうすると何百回もデータをなめまわすことになる。だからなんやかんやで、結局アホみたいに時間がかかってしまう。下手したら1日分の集計が1日で終わらないとか。

例えば車載機からの情報がたんまり集まってきているとする。そこから時間帯別の稼働率を調べたい。そこから危険運転の確認をしたいとか。集まっている情報には、エンジンの状態とか、走行距離とか、加速度センサーとか、緯度経度とか。まぁ、そういうシンプルなその時が刻まれているわけだ。時間帯別の稼働率なら、集まってきたデータから、時間帯毎に動いていたかどうかを集計すればいい。危険運転なら、急加速/急停止とかの回数や場所を調べればいい。

集まってきているデータ全体は、絶望的にデカかったとしても、集計したい軸にとっては全てが必要なわけじゃない。だからどうする?そう、デッカイデータから、必要な部分を取り出す。さっきの例だと、アホみたいにデカイデータから、時間帯別の稼働時間を抜き出す。元データがテラバイトだろうが、ペタバイトだろうが、そんな感じで抽出してしまうと結果はキロバイトとか、そんなちょっとしたデータになる。

ここ数年の流れからいうと、こうしたどデカイデータをちょっとしたデータに変える部分ってことになると、Hadoopというかmap reduceの出番的な雰囲気が漂っていた。まぁ、map reduceは、慣れてしまえばなんてことないものなんで、後はひたすら根性途切れないように黙々とやるだけだけど。でも、なんつうか、環境構築とか、そうは言ってもひたすらプログラム準備していくわけだし。Hiveとかいろいろ出てきても、なんかお手軽感は全くないし。そういうんじゃないんだよな。ということで、ウンザリして放り出してしまっていた人が多かったんじゃないかと。

map reduceの言い出しっぺは、Googleなわけだ。そのGoogleが、「俺たち、もうmap reduceとか使ってないもんね。てへぺろ。」という波動砲発言を発表したので、まじかよーウェーブがスタジアムを数周したのが今年の夏。

ま、その発表はDataflowというサービスに関することだったんだけど、それ言う前にBigQueryで充分そんな雰囲気を醸し出していたわけなので、Googleからしたらまじかよーとか、何をいまさらってところなんだろうな。

で、このBigQuery。すこぶる使い勝手がいい。さっきのどデカイデータをちょっとしたデータに変えるってのに最適。しかも、このBigQueryも何台ものサーバー使って超高速で処理してくれる仕組みなわけだけど、サーバーを何台使うとか、そういうことはよろしくやってくれるので、わずらわしいことがほとんどない。

こいつを使うためには、データをBigQuery環境にぶちこむ。ぶちこまれたデータは、消すまで保存される。そのデータ使って、シンプルなQuery使ってデータを絞り込む。絞り込んだデータは、再びBigQueryに戻すことができるので、そいつ使ってまたまた処理を続けることもできる。終わったらデータを取り出して、後はExcelとかなんでも好きなように使えばいい。つまりメンドくさいことを諸々省略できる。

このデータをBiguQuery環境にぶちこむところと、データを取り出すところは、お金がかからない。Query使ってデータを絞り込むところは、検索結果の毎月合計がテラバイトを超えないと無料。テラバイトを超えるとテラバイトあたり5ドル。保存は、毎月ギガバイトあたり2セント。

てな感じで、多分普通の用途だったら、毎月10ドルいくかいかないかだろうな。と激安。あー、ちなみにとりあえず使ってみようと思うなら、ぶちこむデータを小さめにすればいい。そしたら結果も小さくなるので。経験的に言うなら、ガンガン使っても月額請求は保存料の2セントだけ請求されて終了。2セント。2セントだぜ。ざっくり言うと2円だよ。チロルチョコも買えない。

使ってみるには、最初はDeveloper Consoleという画面があって、そこからQueryをいろいろ試せるので、そこから始めるのが便利。(ここの右上に「コンソールに移動」ってあるでしょ?そこからモゾモゾしていくとBigQueryにたどり着くから)ここでは画面でデータを確認しながら、Queryを色々と試してみることができる。こいつでデータを絞り込むと、結果をCSVファイルとして受け取ることもできるので、これで済むならいっちょあがり。

もう少しQueryを連続して使いたいとか、後で何度も実行したいなら、bqコマンドというツールがあるので、そいつでまとめていけばいい。

  bq query --destination_table=... "select ... from ... where ..."

てな感じ。destination_tableは、Queryの結果を保存するテーブルを指定するところ。

単純な検索で絞り込めるんだったら、Excelと組み合わせるのがいい。これやるためのプラグイン、BigQuery Connector for Excelというのがあって。ExcelにQuery組み込んで、直接結果をシートに取り込める。あとはExcelの世界なので、グラフ化したり他のデータと組み合わせて計算したりとか。ほら、いつもやってるやつでしょ?

ま、ここまででも充分やりたいことできると思うけど、もうちょっと複雑なことやりたいんだったら、お楽しみのプログラミング作成すればいい。楽しみたいからプログラム作るってのは本末顛倒なので、できるだけ簡単な手段で結果が出るのが理想なんだけどね。

  job_data = {
     'configuration' => {
      'extract' => {
       'sourceTable' => {
        'projectId' => '...',
        'datasetId' => '...',

てな感じでジョブの対象とかを指定して、

  bigquery = client.discovered_api('bigquery', 'v2')

BigQuery使いまっせと宣言して、

  result = client.execute(
    :api_method => bigquery.jobs.insert,
    :parameters => {

APIを呼ぶ。このプログラム組むあたりで、妄想が色々と膨らむと思う。なぜかっていうと、このclient.discovered_api('bigquery''v2')ってやつね。これ見てわかる通り、こいつはBigQuery専用ってわけじゃく、Googleのサービス全般を同じように使えるようになっている。

同じように使えるサービスを見ていると、なんかそういうことだよな。って思ってくる。ね?Googleのクラウドって、独特だよな。って気分わかるでしょ?

こまかいことをウダウダ説明したいんじゃなくて、こうしてどデカイデータだろうが、シンプルにデータを抜き出してしまえば、話はどんどん簡単になるってこと。環境構築もいらないし、必要なデータにまとめられれば、後はExcelでもいいし、手元でちょっとプログラム組んでもいいし。

最近あっちこっちでビッグデータ時代というキャッチが踊ってるけど、そんな中身のないキャッチに踊らされて不必要な出費してる場合じゃなくて、やれることを一歩一歩やっていけばいいのであって、そうやって努力する人は、劇的なコスト削減とか、劇的な速度改善というご褒美があって。そういうことやらずにコンサルとかベンダーとかに任せてしまう人は、驚くような請求されて、なんだかなー。な、時代なわけですよ。

2014年11月23日日曜日

大好きな「やつ」に

突然の別れがあったとしても、それはショックだけど、それだけでたまらなく辛いわけじゃない。考えてみるとホントに色々な思い出にあふれていて、それは「あいつがいかに思いやりがあって優しかったのか」ということを感じさせることばかりで。だから考えてしまうと、涙が止まらなくなる。それは優しい気持ちに感動してしまうというか、「ありがとうともっと言えばよかったと思うけれど、もう言えないんだと思う気持ち」が心をギュッと掴んでしまうから。

あいつとの出会いは、福岡に子会社を作った時に社員として参加してきたのがはじまりだった。開発子会社だから、東京本社からの仕事を下請け的にやるもんだという雰囲気の中、なんかもがいている感じだった。俺は親会社の社長だったわけだけど、下請け仕事ばっかりしてないで、自分で仕事取りにいきゃいいじゃんとも思っていた。だって、そうじゃないとつまんないし。で、あいつと話をして「九州で仕事をするならこの会社」と言える3社をピックアップして、知り合いを通じてなんとかアポをとり、提案書を書いて回り始めた。

当たり前だけど簡単にうまく行くわけじゃないし、最初の2社は門前払いも同然だった。門前払いで悔しいというか、ちょっと頭に来てたりしたんだけど、でも俺たち二人はそんな状況を楽しんでいて。だから「天神まで歩こうぜ。この思いを忘れないようにな。」って、日赤通りを延々何キロも「あーだ、こーだ」言いながら歩いて帰った。

3社目は、一番会社規模も大きく、まぁどちらかというと一番門前払いされてもおかしくない熊本の会社だった。なんども練り直した提案書を説明したら、対応してくれた方から、「きみたち面白いね」ってことで、その会社の新入社員向けの企業説明資料を渡された。「これ読んで、もういちど提案して」ってことだった。

なんていうのか、仕事がはじまるわけじゃなく、提案に具体的ターゲットがあるわけではなく、「自分の会社をちゃんと理解した上で何か考えろ」ということだよね。でも扉はあけてくれたわけだし、追い返されたのではなく、飴ちゃんもらって「またおいで」って言われたような感じだったわけだ。

で、もらった資料を読んでわかった。その会社は、とても人間的なことを大切にしていて、全てにおいて誠実であろうとしていることを。最初の2社は、どちらかというと収益をあげるかということを大切にしていたけど、その会社は「誠実であることが会社を支え、大きくする」と真剣に信じ、実践し、ホントに大きくなっていた。

正直、ちょっと感動したというか、なんか嬉しくなった。なので、それならそういうつもりでこっちも頑張ればいいだけだし、俺たちだって不誠実に仕事してきたわけじゃないし。

で、ちゃんと自分たちが分析した相手の価値をグラフ化して、そこから明らかになる強化すべき点を、経営的観点から大きくまとめてみた。そこから着手すべきいくつかのポイント。弱みを補うんじゃなく、強みをもっと強くする。みたいな感じで。

説明し終わったら、会社の人たち驚いてて、素晴らしいと何度も言ってくれた。で、「ちょっと考えるから」ということで、その日も手ぶらで帰った。

なんか前に進んでいる感じなんだけど、全てが一歩一歩すぎて、これは時間どんだけかかるんだろう。って、ちょっと呆然となりかけたんだけど、あいつは「俺、ちゃんとフォローしますから。まかせてください。」って、ちゃんとその後も定期的に訪問して、なんどもなんども話をして。ようやく最初の仕事をもらえたのは、最初の訪問から半年くらいたった時だった。ちっちゃな仕事だったし、それまでの訪問コストからしたら全然割にあわないんだけど、それでもあいつから「やりましたよ。受注しました。ちっちゃいですけど、第一歩踏み出せました。」って。正直、ホントに嬉しかった。

仕事が始まってしまうと、ますますその会社とあいつはいろんな話をするわけだし、そしたらますます信頼されていって、ついにはその会社のシステムを支える最重要開発会社にまでなった。

誠実だし、仲間思いだし、めげずに頑張るし。あいつとその会社は、なんかすごく似ていて、だからすごく信頼されて、おかげで福岡子会社が受注したその案件は、会社全体にとっても重要で規模も大きな案件になった。キッカケは二人で作ったわけだけど、そこまでにしたのはあいつの努力と才能のおかげ。

そんなことがその後もいろいろあって、あいつとはなんか仲間っていうか、兄弟っていうか、なんかそんな感じになったんだよな。

時代は変わったし、俺たちがやっていることの可能性も大きくって。そう思える原点は、あいつとの様々な経験だった。東京にいるだけじゃわかんないことがいっぱいあるし、経営者然として小さく収まってる場合じゃないし。だから俺自身も変えよう、変わろうと思えた。東京程度でまとまってないで、もっと大きなスケールで物を考え行動するために、やつがいる福岡を拠点にしようと決めた。

その後、本当にいろんな変革をしていった。感じている可能性と理想的なカタチというか、チームというか、ハートというか。あいつとは、なんどもぶつかったり、文句も言われたし、文句も言ったし。でもいつも最後には、「最首英裕が、そこまで真剣にやるんだったら、俺は支えますよ。」って言ってくれた。まぁ、つまりそうなんだよな。やるなら根性据えてみんなで頑張るしか、打開できないこと多いし。立ち向かおうとしている場所は、大きく高いわけだし。わかってるよ。一歩踏み出すんだったら、迷わず進むしかないもんな。

Groovenautsという会社は、俺たちにとって理想であり、夢であり。こんなに素晴らしい仲間がいて、取り組んできた経験は、もっと大きなものに活かせるはずだって。

実際、その通り会社を立ち上げて間もなく、とてつもなく大きなプロジェクトがはじまった。リリースしてから毎日、利用者が数十万人ずつ増えていって、しかもあらゆることが破格なボリュームで。何年かぶりに会社に泊まり込んで、みんなで一つ一つ対応していった。東京証券取引所のトランザクション量を超えるシステムなんだよ。わかるでしょ?

プロジェクトは、あいつが仕切ってくれた。一番ピークの時は、俺もプロジェクトに入ったし、一緒に泊まり込んだりしたし。夜中に叩き起こされたりもね。

で、ようやくわかってきたんだよ。俺たちが準備すべきこと。俺たちがリリースすべきサービスとか。あいつともいろいろ話をしたし、みんなともいろいろ話しあった。最初は小さなプロトを作って、考えていることに問題はないのか確かめたりとか。そんなことしている間にも、そのデッカイプロジェクトは毎日運用しているわけだけど、もう大きな山は乗り越えて、全てが安定して動いていた。

あいつからは、「未来のことは最首さんがやってください。足元のことは俺やりますから。」って言われ続けてきた。でも、半年くらい前かな。「俺たち、未来につながることだけやろう。足元のことも未来につながることだけやろう。」って言った。まぁ、実際、そのデッカイプロジェクトがあったから、次の手を考えられた訳なので、未来にはすごくつながっていて、そう言ったからといって何かをやめるわけじゃないし。つまり、これから取り組む仕事は、未来につながらない話はやらない。未来につながる話なのか。未来につながる相手なのか。そして、その未来は自分たちが目指すべきものなのか。

経営者としては、そう言える状況になってきたことは喜ばしいことだし、やつもわかってるはずだけど、なぜかちょっと寂しそうだった。

未来につながる種は、それから最初のバージョンが完成し、プロジェクトへの適応もはじまった。

そしてそんなタイミングとシンクロするように、やつの体が悲鳴をあげはじめ、入院することになった。

前から健康診断の結果がとても悪く、不整脈とか無呼吸症とか、なんか色々まずい兆候はあった。「なんかさ、運動とか、食事とか。考えてやれることあるじゃん。」って言っては、「そうですよね。」って笑ってた。頑丈すぎるやつってのは、結構まずいもんだな。

入院してから聞く話は、心臓がとてもよくない状態だってこと。でも、必ず回復して帰って来ると信じていた。お見舞いに言ったときも元気そうだったし、いつも通りニコニコしていたし。何ヶ月入院してもいいから、生活の心配もしないでいいから。だからちゃんと療養しろよ。って言ったんだよ。SMSで定期的にメッセージのやりとりをして、励ましたり、バカな話をしたり。あいつが入院してるっていうだけのことで、俺にとっては、気持ちは今までどおりつながっていたし。

退院が決まったっていうことは、状況が良くなったということだと思ってた。なんか、ちょいちょいネガティブなこと言うのも、まだ体力が戻ってないからだと思っていた。だから1週間前会社にきた時には、「ここまでできるほど回復してきたんだな」と正直嬉しかったけど、まだ辛そうだったのでまだまだ時間かかるんだろうと思ってた。

帰り際あいつが言った。

「絶対に成功してくださいね。」

「頑張るよ。おまえが戻ってきた時には、色々お願いしたいこともあると思う。その時に備えて回復しとけよ。」

「でも、きっとちょっと悔しいかも。」

「なんで?」

「だって、おれ参加できてないかもしれないから。」「あ、でも、きっとやっぱり嬉しいです。」

何言ってるかわかんなかった。しばらく休んで復帰したら、状況わかんなくなってるから。とか、言いたいのかと思っていた。帰り際、エレベーターホールまで見送って、やつは帰っていった。

いい感じで立ち上がってきた俺たちの製品は、いろんな可能性にあふれている。だから、ここから様々な未来のカタチを描いていこう。そう思って、みんなで開発合宿をやることにした。事前に俺たちの製品をみんなにトレーニングして、俺たちの製品を使ったからできる、わくわくするようなコンテンツを考える会をやって、そして11月19日。朝からみんなで集まり、サービスをもっと深めて、実装を行った。ほんとに未来の可能性を感じられたし、プロトタイプだけど、面白いサービスが幾つも生み出された。

夕方から近くのレストランに場所を移して発表会をやった。みんな楽しそうだった。
でも同じ日の昼くらいかな。朝から、やつに連絡がつかない。と報告を受けていた。遅くまで寝たくなるときだってあるよ。と話をしていた。

やっぱり心配だということで、様子を見にいってくれたやつの弟みたいな徳永から、発表会の後電話があった。

もう二度と、やつとは話をできないことを知った。

あふれんばかりの愛情と、誠実さと、粘り強さと。

飲むとグタグタになるし、デブだし。サッカー上手いくせに、3分しか走れず、俺が絶妙なパスしようとアイコンタクトしたら目をそらすし。でも、こうして支えてくれたこと。俺も、みんなも、いろんな人を支えてくれた。会社が生まれ変わろうとすることも。色々な経験や思いから生み出された製品も。

一緒にやりたいことは、まだまだたくさんあった。もっともっと、バカみたいなことをしたかった。

ほんとに、入江。ありがとう。いろんな思いは、まだまだ深く心に突き刺さったままだけど、頑張って前を向いて進むしかないからな。おまえの魂を受け継ぐかのように立ち上がってきた俺たちの製品「Magellan」は、きっと大きく強く育っていく。そして、おまえを愛し、おまえが愛したこの会社、この仲間は、かならず成功していくから。成功とはこういうことだと、世の中に見せていくから。ずっと見ていてくれよ。

そして、突然のことなのに、弔問に訪れてくれた多くの方々、お花や弔電をいただいた方々には、ほんとうに感謝します。お父さんとお母さん、そしておまえのことが大好きだったこんなに多くの人たちを残して死んでしまった大バカものですが、あいつはあいつなりに全力で生きました。そして、あいつの志の幾つかを、これから受け継いで生きていきます。

2014年11月5日水曜日

AmazonとGoogle 2つのクラウドの違いとは

動きの早いクラウド業界だけど、「圧倒的シェアを握るAmazonに対して、大手数社が追いかける構図」的論調が多い。実際に色々と利用してみると、一緒に並べて比較するのが間違っているんじゃないかと思うことしばしばだし、なんか最近この手の話がよく身近な話題になるので、ここらで改めてまとめてみる。

まずは、AWS(Amazon Web Services)。

AWSを理解するのには、彼らの根幹事業であるネット販売から眺めてみると良い。Amazonのネット販売の強みは、注文してすぐ届くための仕組み。つまり巨大な倉庫をハブとした物流にあるのは誰もが知るところ。この仕組みを使って、できる限り中間業者を中抜きする。中抜きすることで、余分な時間とコストが削減され、消費者に素早く、低価格に商品を届けられる。まぁ、簡単に言えばこういう理屈。

では、コンピュータはどうだったのか、ちょっと振り返ってみる。

例えば、ある企業が「なんとかシステム」を構築しようとする。きっと、まずはそのシステムに詳しい人(コンサルとかSI会社とか開発会社とか言われる人たち)に相談するわけだ。相談された人は、なんだかんだと検討をして、コンピュータのハードウェア的構成を考える。そしたら、その構成通りにハードウェアを準備してくれる人(ハードウェアの販売会社とか)に依頼をして調達するんだけど、ハードウェアを準備する人たちは自分たちでハードウェアを作っている訳ではないので、ハードウェアメーカーに発注する。

ハードウェアメーカーは、ハードウェアメーカーっていうくらいだから、コンピュータを作っている人かっていうと実はそうではなくて、実際のところどのハードウェアメーカーもみんな同じような台湾のメーカーに発注をしてコンピュータを製造してもらい、自社のロゴを貼り付けて製品としているだけ。(っていうとちょっと乱暴だけど、大きくとらえるとそんな感じ)だから、実のところハードウェアメーカーごとの違いなんて、ケースのデザインとか、貼り付けたロゴとか、検品の差くらいだったりする。

ようやく最後までたどり着いたところでハードウェア調達完了かというと、そうではなく。調達したコンピュータを動かす場所。つまりデータセンターを借りるって話になるわけだ。これもどこがいいかいろいろ検討して、そこに調達したコンピュータを設置して電源を入れたらようやく利用開始になる。

Amazon的発想で言ったら、こんなん「本とか家電製品なんかよりずっと無駄な中間業者がいる」ってことになるんだと思う。で、結局のところ台湾のメーカーが作ったコンピュータを、データセンターに設置して使ってるだけじゃん。って単純化してしまうと、AWSなんだな。

つまりだね、流通業のプライベートブランド(PB)と同じ発想だよ。イオンのトップバリュってやつね。(あー、この「バリュ」ってところが気になる)

つまり誰が作っても大差ないような商品だったら、PB化してしまって基本的な諸元みたいなものだけ説明して、「はいどうぞ」。ユーザーが選択するのは、貼り付けたロゴではなく、筐体のデザインでもなく、性能とコストに関わる諸元でしかないわけだから。

AWSがわかりやすいのは、こうした面倒臭いこれまでの習慣をバッサリと改善して、後は従来の使い方となんら変わることなく利用できるようにしてるから。この途中をバッサリと改善するところが思い切っているので、「すぐに使えて、安く」しかも「従来の使い方そのまま」という、いかにも物流改革でのし上がってきた企業らしいしあがりになっている。

いずれにしても、開発の仕方とかソフトウェアとかプログラミングとか、もろもろ獲得してしまった知識を変えることなく、調達時間と調達コストを変えたいと考える人にとっては、とてもわかりやすく、とっつきやすいので、一気に広がったとも言える。

一方のGoogle。

この会社を理解するには、ぜひGoogleのオフィスに何度も足を運び、ここの人たちと会話をすべきだ。AWSの日本には、ざっくり言うと「営業のための組織」しかないのに比べて、Googleの日本法人は、製品の開発チームがいるのが大きな違いだ。

そのせいなのかなんなのか、Googleにも営業のための組織はあるけれど、なんとなく全員が「新しい何か」を生み出そうとしているようにも感じる。(→ ここ結構重要なんだけど。話が長くなるのでやめときます。)

Googleは、Amazonと違いサービスカンパニーであり、しかも極めてファンダメンタルな、つまり広く多くの人が使えるようなサービスを提供することでビジネスをしている。

実は、このあたりの特質が、Googleをわかりにくくさせているのだとつくづく感じる。

AWSのわかりやすさは、やっていることが単純な流通革命でしかなく、利用者は従来のアナロジーで利用できるからだ。一方のGoogleは、「自分たちが考える次世代のサービスインフラ」を外部に提供しているんだと考えるべき。

利用してみればわかることだけど、彼らにとってGCPのようなクラウドも、BigQueryも、gMailも、Mapも、Analyticsも、横並びで一つのサービスでしかない。様々なサービスを組み合わせて使うことも、それほどストレスなく実現できたりする。うまく利用するとシステムは「とてつもなく簡単」になって「極めて低価格」であり「驚くほどの高性能」を実現できたりする。ただし、従来のアナロジーで発想することはできず、いったん過去のノウハウとかそういうものを捨てて、新たなことに挑戦する覚悟を求められることが多い。

まぁ、このあたりを指して「GoogleはPaaS」で「AmazonはIaaS」とかいう人がいるけど、この「XaaS」という曖昧でわけわかんない言葉、ほんとやめてほしい。だって物事そんな単純じゃなく動いているわけだからね。

ま、そんなことはどうでもいいけど、GoogleにもAWSのように「普通のコンピュータ」を「普通に利用」するサービスはあるわけだけど、上手に利用しようとするとDockerとかKubernetesあたりからはじまって、結局BigQueryとか、多分これからはDataflowとか、そういう斬新でこれまでとは発想を変えなければならないものを駆使することになる。


まぁ、結局どーなのよ。

ということなんだけど、企業システムっつうか、これまで作ってきたソフトウェアとか、これまでのやり方をそのままにして、データセンターだけ変えたいという人は、AWSってわかりやすいしいいソリューションだと思う。

一方、サービスベンダー。社内システムとかではなく、自分たちが作るコンピュータサービスで勝負しなければならない人は、なんかGoogleなんじゃないかと思うんだよね。
結局、サービスも突き詰めていくと様々にきめ細かいことやらなければならないわけだし、多分、そういうことに世界でもっとも気がついていて、しかもファンダメンタルに具現化している企業といえばGoogle。

サービスベンダーにとって、あらゆることを自社でやることが美しいのではなく、自分たちの強みとなるところは自社で取り組み、その他のことは他をうまく使うべきだと思うし、そう思えるならGoogleは素晴らしくよくできていると思う。

同時に理解すればするほど、ほんとに嫌らしいくらいよくわかっていると思えるので、今後の動向から目が離せなくなってしまうけど。

2014年11月4日火曜日

着水ではなく着陸な 降下ではなく墜落な

一瞬の出来事、冷静に対処したはずなのに、結局何が起きたのかわからないことってある。

昨日の海。浜辺からそれなりの距離をとってジャンプしたんだけど、想像以上のジャンプになってしまい、みるみる浜辺が近づき仕方なく浜辺に着陸。こういう状況って、これまで何回も経験したはずなので、「あー、またやったか。もっとマージンとんなきゃ。」で終わるところなんだけど今回はなんか違う。なんか普通はもっとフワッと降りれるはずなのに、いつもよりハードランディングな雰囲気。そばで見ていたヤスさんが駆けつけてくれて、「あ。これ。」と拾ってくれたのが、壊れたフィン2枚。フィンだけでよかった。と思ってたら、なんとボードもパッド接続部分が板ごと破損してました。
え?そこまですごい落ち方?つまり、それだけの衝撃だったんだろうけど、その割になんともなかったのはなぜ?

当日は、ちゃんと考えられなかったけど、冷静になって考えてみると思い当たることさまざま。

まず当日のコンディション。気候変動のせいか侵食された海岸線は、海と陸をなだらかにつないでいたはずの砂浜を、海に隣接して丘があるような風景に変えてしまった。おかげで地表近くの風は4〜5メートルなのに、上空は6〜7メートル(ブロー入ったらもっといってたかも)。しかも全体的に風は不安定で、風速はコロコロ変わっていた。つまりジャンプの瞬間、上空でいい感じにブローが入って想像よりも高く飛べたわけで、それはそれで「やったー!きもちいー!」なところなんだけど。まー、それで予想よりも流されて浜辺に着陸したのもしかたない。

問題は降下中。つまり徐々に降りてきたところで風が一気になくなったんじゃないかと。そういうコンディションだったからね。つまり、墜落したような感じ。「降りた」というより「落ちた」。

衝撃を感じなかったのは、ただただF-Oneのパッド性能のおかげ。他のボードパッドと比べてもクッション性が高いので、ドスンと落ちた衝撃をパッドが吸収してくれたんだろうな。

おかげで今年2枚目のボード破損。同じような状況で、ヤスさんは骨折したらしいので、ボードが守ってくれたというか、なんかいろいろこういう場面で何かに守られてるよなぁ。と感じつつ。「おまえに休んでいる暇はないんだぞ。」と言われているような気もしつつ。まぁ、ヤスさんはそもそも高度が高いから、ドスンと落ちた時の衝撃はさらに大きかったんだろうけど。

ということで、上空だけにブローライン入っている場所では注意しましょう。(写真は、当日のものではありません)