2014年6月4日水曜日

知ってか知らずか破壊的創造を目指す福岡という都市について


カイトボードというスポーツをやっていると、海で友達ができるんですよ。これは多分世界中どこにいってもできる。そういうスポーツだから。というわけで素晴らしく様々な人達と出会うことができ、福岡で心優しい人たちに囲まれつつ夏に突入していくわけです。

そんな福岡で、「ベンチャーブーム」と「企業誘致」がアクセル全開風な動きを見せております。先日も、東京のとあるベンチャー企業社長が福岡に来たので、話を聞いたら「福岡に拠点を作るんだよ」ということだった。なんでも「とある界隈」では福岡に拠点を出すというのがブームらしい。

彼のイメージでは、「福岡には人材がいる」ということで、「人材がいる」という部分は量的な話。東京は企業が乱立しすぎて採用厳しいけど、人材が豊富で企業が乱立していない福岡なら採用は楽なんじゃないか。という文脈のようだ。

個人的には企業間の競争が激化するのは、大変喜ばしいことだと思います。それはまぁなんというか、ぬくぬくと経営しているような企業は淘汰されるべきだという野生の王国的感情が根っこにあるからなんですが、いかんせん福岡に進出する企業の多くが、「別法人」つまり「子会社」を福岡にたてて進出してきます。これは東京に住む人の、すごーく単純な理屈で、「福岡って何でもかんでも東京よりやすいんだよね?」「東京でもらっている給料のまま福岡に住むと、5割増しなラックス・スーパーリッチなんでしょ?」とか、「はぁ?あんた何根拠にそげんこというとーと?」と言いたい気持ちになるわけです。

確かに福岡は、家賃と居酒屋は安い。だけど公共料金やらガソリン代やら、あたりまえだけど本も家具もカイトもボードもハーネスもウエットスーツも。。(うー、わんわん!ぜーぜー。)とにかく特に安いわけではない。なのに何故か「福岡ってさー、給料とか抑え目でも全然いけるんでしょー」とかになる。

まぁついでに言うと、そんな魂胆だから人集めに苦労するわけだったりするんだけどな。

こうしたことが起き始めているのも、福岡市が頑張って「福岡に拠点だしなよー」「コストやすいよー」「人もいるよー」と言ってるからであって、東京の会社にはそれほど悪気はないんだけど、おかげで競争にもなんにもならないということになってる。

そこにまたさらに絶妙な誤爆を繰り返しているのが、これまた行政なのであって、いわゆる「スタートアップベンチャー」というやつですね。これは一言で言うなら「企業があらたなことにチャレンジするのを応援する」のではなく、「新しく起業することを応援する」というもので、だからつまりこうしたことが本当に広まっていくと、限りなく会社は分裂をしていくという素晴らしく破壊的な状態になるわけです。

まっとうな人からしたら、「福岡で頑張っている企業を応援する」というのが本筋じゃぁないの?と思うわけですが、そこはなぜか「起業しよう!」となるわけです。無職の人がいきなり事業アイディアを思いついて資金集めて仲間集めて、というのはなかなか可能性低いので、自然に「起業しよう!」というのは、「会社を辞めて起業しよう!!」になるわけですね。

なんでこんな素人からみても経済政策として完全に失策方向に素振りしているのかというと、「スタートアップベンチャー作戦」の影には、ベンチャーキャピタルがウロウロしているわけです。彼らからしたら、「福岡で頑張っている企業が→新たなことに挑戦して→成功する」というシナリオでは、大きく関与して一儲けする局面がないわけですよね。「新たなことに挑戦して」というところで資金需要があるかもしれないけれど、「大きく関与して」というのを少ない資金で実現するのは難しい。まぁそういう理屈が影響を与えているのだと思います。

とは言え、実態は本当に立ち上げたばかりの企業に投資するVCなんてほとんどないので、VCの献策なんだかわからないけど、一人行政だけが素振りしているようなたたずまいになっているのかと。

そうは言っても福岡は人口増加が続いている都市であり、優秀な人材が結構いる都市であり、交通網が発達していて特に東京へのアクセスは小田原くらいの心理的距離感。長期的レンジで言えば、もっと発展する可能性が極めて高い都市だと思うので、外から来る人も、中にいる人も、もっとまともに取り組めば、とてもおもしろいことになるんだけど。福岡市も、漫然としているわけではなく、現状を打開しようと頑張っていることは賞賛されるべきこと。なのでもう少し思惑だらけの人たちの意見を、うまくフィルタリングするだけの知識というか経験というか。頑張ったらいいのにな。

といううんちく垂れてても仕方ないので、粛々と頑張る初夏の昼下がりでした。


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