2017年11月22日水曜日

BLOCKSとPepper連携

機械学習の話をしていたはずなのに、相手が言っていることが、いつの間にかロボットの話にすり替わっていることがよくある。



それはつまり、シンギュラリティへの不安なのだと言う人もいるけれど、ぼくはやっぱりアトム的な未来への期待なんじゃないかと思う。

でも実際のロボットは、すごい記憶装置を持っているわけでもなく、演算装置が特別優れているわけでもない。だから、期待するように、すばらしく優秀な機械学習機能を発揮できなかったりする。

だったら、ロボットと、BLOCKSのようなクラウドの超強力な機械学習をつないであげて、会話している人が違和感を感じないほど、自然に連携させてあげたら。

そしたら、ロボットに限りないデータと予測機能を提供することができて、ようやく人間にちょっと近づくことができるんじゃないか。

そんなことをモヤモヤ考えていたら、偶然にもソフトバンクロボティクスの人たちとの縁ができた。

こういう時、いつもお世話になってしまうのがグッディの柳瀬社長で、「お店で接客をするロボットの実験をやりませんか。」というぼくの提案を快く引き受けてくれた。


やってみたことと言えば、お店に来た人に商品の場所を紹介することなんだけど、できるだけ自然な会話になるように、ウチの社員が言葉や文章を頑張って教え込んだ。

教えたと言っても、Pepperにではなく、クラウドにある会話機能「Google Dialogflow」

Dialogflowを使うと、Pepperのようなロボットだけでなく、Google HomeなどのAIスピーカーや、LINE、Facebookメッセンジャー、twitter、slackなどのメッセージソフトとの連携も実現してくれる。

Dialogflowに登録するのは、言葉と文章。そうすると、教えた言葉と文章を使って、会話ができるようになる。

とはいえ、Pepperくんがやんなきゃいけないことは、意外にも高いハードルがある。

まず、今回の設定は、Pepperくんがお客さんにお声がけをする前提。つまり、店員でもなく、よくわかっている人ではなく、普通のお客さんを見分けなければいけない。

なので、店員と職人風の人の写真を集め、BLOCKSに学習させた。

その上で、商品の棚割情報もBLOCKSに登録。

同時に、以前から取り組んでいたDialogflowとBLOCKSを連携する機能をリリースして完成。この動画にあるように、ちゃんとお客さんを見分けて近づいていき、お声がけをすることができた。受け答えの文章は、全てクラウドで処理されている。

会話の骨子はDialogflowで解析し、内容に応じた処理と回答文はBLOCKSが作成。

応答性能も含めて、自然な形で対応することができた。


もちろんBLOCKSを使って実現したから、クラウド側でプログラムを一行も書く必要がない。そして、専門家もいらない。はじめようと思えば、いますぐできる。

Pepperくんの能力を上げてわかったんだけど、賢くなったなーというよりも、ちょっと愛情を感じるようになってしまった。頑張ってるよな、おまえ。みたいな。働いているもんな。時々無視されたりするけど、めげずに偉いな。とか。

知性って、愛のためにあるのかも。そんなことを、ちょっと感じた。

あれ、なんでおれ、Pepperのこと、いつのまにかPepperくんって言ってるんだろう。

2017年10月2日月曜日

世界中の学生が集まるビジネスイベントのメインスポンサーになりました

機械学習のビジネスを手がければ手がけるほど、社会は単純な経済合理性だけで動いているわけではないことに気がついてくる。

どんなに経済的なテーマであっても、やはり中心は社会だし人間だ。


だからこそ、社会、そして人間が単調であるより、バリエーションが多く、複雑であるほど、そこから生み出されるものは深く、価値があると言えるのではないかと思えてくる。

そして、そういう人間や社会という複雑でナイーブなものを相手にするのに、BLOCKSの機械学習は非常に効果的だ。

効果的な方法があるのだから、もっと人間や社会に向き合い、多様性を許容する世の中を目指していく。それこそが、これからのビジネスの核心になる。

それが、ぼくたちのビジネスマインドだ。

そんなぼくたちの元に、世界中の著名大学の学生が集まるイベントのスポンサーにならないかと、日本のホスト校でもある立命館アジア太平洋大学からお誘いがあった。


イベントの主旨、内容をみると、まさしくぼくたちが大切にしていることを体現しているものだった。

世界的にも注目を浴びているイベントのスポンサーになるのは、若干気がひけるところある。けれども世界中の学生が、ぼくたちと同じ価値観を持ち、協力しあって挑戦することを応援できるのは、同じく挑戦しているぼくたちにとってはとても意義のあるものだと思っている。

明日、世界中の学生が福岡に集まり、まずはオープニングが行われます。

そして場所を大分はAPUに移し、いよいよ学生同士のビジネス・ケース・チャレンジがはじまります。

いーじゃん、いーじゃん。なんだけど、メインスポンサーなんで要所要所でスピーチしなくちゃいけない。もちろん英語。

もー、はじまる前から燃え尽きてるわ。


2017年9月29日金曜日

G Suiteブロック、リリースされました

MAGELLAN BLOCKSで利用できるブロックが、またまた新しくなりました。


今回はG Suiteブロック。


特に、G Suiteの中でも機械学習によく使いそうなGoogleドライブとGoogleスプレッドシートをブロック化しました。

Googleドライブ関係は、「検索」「削除」「共有
スプレッドシートは、「作成」「取得」「更新

つまりMLボードで学習をさせたモデルを利用する場合、
予測したいデータをGoogleスプレッドシートに入力しておき、そこから予測ブロックにつないで結果をGoogleスプレッドシートに書き込むということができる。


BLOCKSからスプレッドシートにアクセスするときは、自分のGCPアカウントをGCPコンソールのIAMコンソールから調べて、そこに記載されているメールアドレス(xxxx@xxxx.iam.gserviceaccount.comというやつ)を、シートの共有先として登録するを忘れないようにね。

どんどん使いやすくなっているMAGELLAN BLOCKS。
ぜひ使ってみてください。

2017年9月26日火曜日

経済産業省九州経済産業局との取り組み発表会

福岡に住んでいると、業種は違ってもいろんな人と話をする機会に出会える。

地方都市ではあるけど、国連や中央省庁の重要な拠点もあるので、わりと大きなスケールでモノを考えている人とも話をすることができたりする。

そんな中、経済産業省九州経済産業局の方に呼ばれ、地元製造業の人たちが集まる会でスピーチをさせてもらい、それがキッカケで製造業の現状を知ることができた。


いわく。世界中で製造業の勢力図が、ガラガラと変わっている。中国などの実力が伸びているというのもあるけど、やっぱり単純なハードウェアだけでなく、ドイツを中心としてITを駆使した仕組みが世界的変化を加速させているというのが大きい。

そこらへんの話をしていると、入り口ではIoTと言うんだけど、結局集まったデータは機械学習的な処理が必要な場合が多そう。なんだけど、そこまで行くと製造業の人たちはよくわからないということだった。

ぼくたちとしては、福岡を本拠地にしながら、地元企業がぼくたちが得意とする機械学習に手を出せないでいるのは、やっぱり見逃せない。

なので、じゃぁスポンサーするので、機械学習を実践するメニューを作りませんか?ということで、はじまった。この企画。

そして、昨日。
メニューに則って、勉強をし、トライアルをしてきた人たちがあつまった。

ほとんどの人は、プログラムを組めるわけでもなく、ましてや機械学習にとりくんだこともない。だけど、半導体の不良を検知する仕組みや、ドローンで撮影した太陽光パネル画像から不良を見つける仕組み、機械の故障予知など。それぞれ、かなり高い精度での結果が出てきた。


データは少なくても精度が出るのは、転移学習という手法を使ってたりするからなんだけど。それでも多くの企業が、やってみれば意外に簡単に精度が出せること。そして、現場勘が重要なのだということ。

そんなことに気がついていただいたみたいだ。

そして、製造業って、やっぱり面白いし、機械学習向き。
ぼくらも色んな気づきを手にすることができた。

みなさんの成果については、どこかで発表したいな。

2017年9月23日土曜日

海に行く理由

You have zero control over the ocean.
The only thing you have control over is your attitude and actions.


ぼくがカイトボードをはじめたのは、上場していた会社をMBOして、もう一度自分がやっていることを見直し、本当にやるべきことは何かを模索しはじめた頃だ。

自信もあったけど、不安はもっと大きかった。
それでも行動したのは、根拠は脆弱なんだけど「直感に従うなら、やらなければならない」という気持ちがぼくを動かしていたからだ。

そんな時、全くやったことのないことに挑戦してみようと思って、昔サンフランシスコで見たカイトボードをはじめた。

なんどもなんども、風と波に翻弄された。

あたりまえだけど、海も風も、人間なんて関係ない。
海の上では、海をコントロールできるわけもなく、自分をコントロールして海に遊ばせていただくだけだ。


あーだ、こーだと理屈をこね回している暇もなく
海と自分だけの世界
でも海は海なわけだから
なんだか無心な自分の中に入っていく感覚

でも、素晴らしいことにカイトボードは危険な側面もあるので
はじめて行った見ず知らずの場所であっても、カイトボーダー同士は助け合う

海の上で、無心な自分と向き合っているにもかかわらず
仲間がいる安心感を同時に感じる

そしてヘトヘトになるまで乗り倒した夕方
傾いた夕日が海をキラキラと照らし始めると、いつも思う。


あー、おれは何てちっぽけなことにクヨクヨしてたんだろう
人間なんて、小さな存在なんだな
だから、辛いこともあるかもしれないけれど、くじけずに努力を続ければ
いつかきっと、不可能だったことが可能になって
「できなかったこと」が「できる」に変わって
きっともっと前に進むことができる。

なんか、そんな気分になる。

きっとマリンスポーツをやっている人は、多かれ少なかれ、みんなそんな気分なんだと思う。

スポーツをしに行くというよりも、自分をリセットしにいく。
忘れそうになっていた何かを取り戻しにいく。


戦争から帰って来た退役軍人、人生に絶望して死んでいく人が多いのだと言う。
そうした人たちに、サーフィンを教えるプログラムがあるらしい。

海に向き合っているうちに、生きて行く意志を取り戻す。
そういうことだ。

彼らの過酷さは、ぼくなんて想像もできないレベルなんだろうけど
ぼくの色々もないまぜになって、深く心につきささる。


Netflixオリジナル作品「RESURFACE

はやく本編を見たい。

そして、海にいきたい。

2017年9月22日金曜日

Salesforce.com Einstein + Google VisionAPI + Groovenauts ML

MAGELLAN BLOCKSに、Salesforce.comが提供する機械学習サービス「Einstein」(アインシュタイン)のブロックが登場したので、BLOCKSには機械学習で画像を分類する方法が3つとなった。



なので3種類全部を試してみた。

試す画像は、やっぱりこれ。


またかよ。と思うかもしれないけど。カイトサーフィンだ!
ちなみにこのスポーツは、空に翼のようなカイトを揚げ、風を受けて生まれる揚力で体を引っ張らせ、ボードをうまく使いながら風上に上って行ったり、空に飛んだりするスポーツ。

一般的には、カイトボードと言って、この写真のように長方形っぽい板に乗る。この板はツインチップと言って、右にも左にも走れる。だからtwin tip。(tip = 先端)

このカイトボードというのは、色んなスタイルがあって、中でもツインチップではなくサーフボードに乗って波乗りをしながら走るのをカイトサーフィンと呼ぶ。

まさかこんな細かい違いを、Google VisionAPIも、Einsteinも認識できないだろうけど、どんな風に認識するのかを実験。

ちなみに、MLボードを使って、カイトボード、カイトサーフィン、サーフィンの3種類を学習させた独自モデルも用意。

フローは、こんな感じ。


左の列がEinstein、真ん中がGoogle VisionAPI。そして右がBLOCKSのMLボードで独自学習させたもの。


まずこいつを認識させた。

Einsteinの回答は、

  1. snorkel 46%
  2. scuba diver 42%
というのがトップの方に来た。
海っぽい何かというのは認識したみたい。

ドンピシャ来てないけれど、Einsteinはユーザーが独自学習させることもできるようになっている。ドンピシャな何かを求めるなら、そういう方法をとるのがいい。

次にGoogle VisionAPI。
  1. kitesurfing 98%
  2. surfing equipment and supplies 94%
  3. windsports 94%
  4. kite sports 92%
  5. boardsport 89%
な、な、な。なんだって!
カイトサーフィンだと!

ちょっとそれは、少しすごすぎる。
GoogleのYouTube部門のトップは、カイトボードが大好きな人で、その人がYouTubeにジョインしてからカイトの動画が増えたと言う話をきいたことがある。嘘かもしれない話だけど、こんなに細かく認識できるってことは、まさかなにか特別なことが起きているのかもしれない。

でも、なんかちょっと。。

ということで、この写真。


kitesurfing 98%!

なんだよ。カイトボードのことを、kitesurfingと言ってるだけじゃん。
あー、びびった。

そういえば、オバマ元大統領が、カイトボードに挑戦していたニュース。kitesurfingって書いてあったな。アメリカじゃ、ひっくるめてkitesurfingなのかもな。

ちなみにBLOCKSのMLボードを使って独自学習させたモデルで試したら、

kitesurfing 97.5%

kiteboard 99.9%

surfing 99.9%


と言う結果だった。

一般的な内容を見分けるのだったら、EinsteinやVisionAPIを使ってサクッと識別するのは、学習もいらないから便利。
でもって、細かい違いを識別させるんだったら、やっぱり自分で学習させるといいね。

そして。
やっぱり、1日海にいて、海の上で夕焼け見るのは最高だな。

2017年9月21日木曜日

ぼくたちのオフィス

エンジニアの仕事っていうのは、仕事のほとんどをオフィスですごす。
だからオフィス空間は、とても大切だ。

空間というのは、不思議なもので、平板な空間からは、平板な発想しか生まれない。

だから豊かな発想が生まれる空間は、平板ではなく、奥行きがあり、凸凹があり、バリエーションがあり。さえぎるものが少なく。そして、快適な空気の循環があること。

いつもオフィスを新しくする時は、そんなことにこだわっている。


ぼくたちの本社オフィスを新しくするという話が決まった時、ほんとうに多くの才能あるデザインオフィスから提案を受けた。
本当に、感謝してます。

色々と検討した結果、イトーキにお願いすることにした。

実は、イトーキとは15年くらいまえからの付き合いだ。

以前、創業した会社を上場させ、会社の規模をドンドン大きくしていった時があった。つまり割と頻繁に引っ越しせざるを得なかったわけで、そんな時イトーキにぼくの思いを伝え、何回かオフィスの設計・施工をしてもらった。だから、ぼくの考えとか、テイストとかを知り尽くしてもいる。

今回は東京ではなく、福岡なわけだし。やりとりを開始してから随分たつので、ぼくのことを知っているデザイナーは、出世して現場仕事を直接やる機会が少なくなっていた。

担当営業の女性も、すごい能力の人だから、ぼくらのこんなちっぽけな仕事には不釣り合いなポジションにいたんだと思う。

でも、今回の件は、また昔のチームを集めてくれて、ぼくらのために、いままでの経緯を知っている人たちが、真心を込めて作り上げてくれた。

平板な空間は、創造性を阻害する。
そんなことは、いつも言ってきたこと。

そして、さえぎるものが少ない。これも、いつものこと。
なんだけど、今回はちょっとテイストが違った。

色んなビジネス経験を通じて学んだことなんだけど、結局今の時代、成功を納めている企業というのはマーケットシェア争いに勝った企業ではなく、社会の課題、つまり人が少し悩んでいること、ちょっと困っていること。そういう社会の多くの人の問題や、課題に向き合って、解決した企業が成功している。

そんなわけだから、ぼくたちがBLOCKSを通じて達成したいことも、やっぱり社会の課題に向き合い、解決していくことだと強く意識している。

そのためには、オフィスも社会に開かれていることが重要だ。社会が抱えている様々なことが見えるオフィス。

つまり社会との間にさえぎるものがない。
それが、設計時にぼくが出したもう一つのテーマだった。

実際、オフィス移転をきっかけにTECH PARK事業をはじめるつもりだったので、そこが大きく開かれた窓となり、ぼくたちの会社と社会をつないでいければいいなと思っていた。

そして、オフィス空間も、そうした意志を演出してほしい。

こだわり抜いたオフィスは、日経ニューオフィス賞も受賞し、誰が見ても良いと言ってもらえるものになった。

そして、想定を大きく上回る結果になったのは、TECH PARKを通じて、多くの子どもたちと触れ合えたことだ。

たいていの場合、社会は、大人が作っているけれど、大人は子どものために頑張っているとも言える。未来を作るのは、間違いなく子どもたちなんだから、ぼくたちは未来のために頑張っているのだ。


そんな未来が、とても些細なことで悩んでいたり、才能を見出されないでいるのは、誰にとっても大きな大きな損失だ。だから考えなければならないことがあるし、行動しなくちゃならないこともある。

そんなことで得られた気づきは、今、TECH PARK事業だけでなく、ぼくたちのビジネス全体に強い影響を及ぼしはじめている。

このオフィスがきっかけで、さまざまなことがはじまり、さまざまなことを学んだ。
同時に、ビジネスも大きく成長をはじめた。

先日 イトーキ社のサイトに、ぼくたちのオフィスが紹介された。

関わってきた人たち、集まってくれた子どもたち
毎日新しい刺激をいただけているユーザー企業の方々

ぼくたちの成長は、色んな人の想いの結晶なんだよなぁ。つくづく、そう思う。